花、空を想ふ~道草をくらう友の会


むぎ                   人生の道草をくおう。              モノ作り、道草、恋のお話。
by mugi-yumicos
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夜の理由

ずっと抱えていた不安。
夜になると降り注ぐ不安。

昨日はそれが大きくやって来て、私の夜を包み込んでしまった。

電車を降りると雨が少し降っていて、その雨と暗やみにうまく紛れながら、自分を取り戻そうと必死に歩いていた。
気が付くと、泣いていた。
悲しくてどうしようもなくて、いつの間にか涙が出ていた。

こんな時、たいていカレに電話は繋がらない。
案の定、昨日も繋がらなくて、私は一人ただ泣くしかなかった。


勿論、自分ではこの涙の理由はよおく解っている。



知り合いが、若くして人生の幕を閉じた。
とても急で、聞いた時は唖然とするしかなかった。

特別、仲が良かったわけでもない。
仕事で一緒になったわけでもなく、会えば挨拶をするくらいの人生の関わり方しかなかった。
けれど私はなんだか、いてもたってもいられなくなってしまった。

訃報を聞いた日とお通夜の日、私は電車に乗るコトが出来なかった。
涙が溢れて止まらないっていうのもあったけれど、乱暴な言い方をすれば人に近づいて欲しくなかった。
だから私は、不夜城から歩いて30分かけて家に帰った。

人はいつ何があるか解らない。
私の明日がどうなるか。
私の昨日がどう繋がっていくのか。
私の今日が何を生み出すのか。
それは何も解らない。

私にはやり残しているコトが多すぎる。
子供の頃、思い描いていた夢はまだ半分以上叶っていない。
それを叶えるがために、私は日々を過ごしてきた。
・ ・・けれど、明日は解らない。

この言葉が当てはまるのかは解らないけれど、ただ恐かった。

幼い頃、夜眠りにつく前に『人は人生を終えてしまうとどうなるのだろう』と考えて、とてつもない不安と悲しみに教われ、どうしようもなくなって両親の寝室へと駆け上っていた。

昨日もそんな気持ちだった。
体調が悪かったのもあったと思う。

案の定、繋がらないカレへの電話が、その気持ちにますます拍車を掛けた。


そして私は、夜中だというのに、実家に電話をした。
幼かったあの頃のように、両親に救いを求めた。

母の言葉はだいたい予想がつく。
けれどそれを聞きたかった。
母として女性として、いつも私に一本の道筋を作ってくれる母の言葉が聞きたかった。
母の言葉で私は、またあの頃のように安心を取り戻した。
いつまでも子供。両親以外の家族に10年くらい会ってはいないけれど、私は一番子供。

優しい朝を迎え、カレから『ごめん。寝とった』と案の定なメールを受け取った。
カレらしい。
そして夕方、カレから電話が来たので昨日のコトを伝えると
『ほっんと、そういう時に限ってヤツは電話が繋がらないよね』と何度も言った。
解ってはいたが、一応『ヤツって誰?』と聞いたら『ヒゲの男。つまり俺』とな。

私はきっと、これからの人生も何かを考え過ぎながら生きていくと思う。
私はきっと、これからも人生を考え過ぎながら生きていくと思う。

けれど昨日それらは少し和らいで、最近のふつふつした感情はなくなった。
そんなコトを繰り返す私の人生。
ま、いっか。
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by mugi-yumicos | 2006-06-09 23:12 | 果てしなく続く人生
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